Journal of IPCs vol.44
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■1989年に計算機センター次長になって以来,大部分の期間,計算機センター,情報処理センター,総合情報処理センター,学術情報拠点(情報基盤センター)にかかわってきた。情報処理センター以降の■1984年着任当時,計算機センターでは,汎用機のFACOM230-38Sが稼働していた。リソースは,主記憶128kワード(256kByte), DISK 70Mbyte×2であり,朝,プログラムを受け取り,夕方,あるいは翌日計算結果を返却するバッチ処理で運用していた。1986年に,最新の汎用機のFACOM M360Rに更新され,主記憶8MB,ディスク1.8Gbyteであり,TSS(Time Sharing System)により端末を接続してインタラクティブに計算機を使えるようになった。5台の端末を備えていたが,インターネットは,まだ存在していないため,センターの端末室での利用であった。■1990年に計算機センターは情報処理センターに改組され,レンタル予算が認められた。以降,定期的にシステム更新を行うことができ,常に最新の技術を取り入れたシステムとすることができるようになった。情報処理センターが最初に導入したシステムに当たって,「ダウンサイジング,学内LAN,インターネット,情報処理教育」というキーワードで表すことができるシステムである[1,2]。従来は,計算機を1台導入して,そのうえですべての処理を行っていたが,それぞれの処理に見合うサイズのサーバでシステムを構成するダウンサイジング,それらを相互に接続する学内LAN,他機関とデータ交換をするためのインターネット,教育用の計算機システムである。具体的に,従来の計算環境を引き継ぐ汎用機(FACOM-M770)には,仮想計算機機構を導入して,汎用OSとUNIX系OSを稼働させた。ワークステーション(Sun4/490)では,メールサーバ,DNSサーバ,ファイルサーバ等を受け持つ。教育用システムは,60人程度の同時利用が必要であり,汎用機のTSS処理では十分な応答時間が確保できない。どの端末を使っても自分のデータを利用できるようにする必要があるため,処理は分散,データ管理は集中させる必要があり,ファイルサーバと端末(PC)という構成になった。なお,この時,外部との接続は,汎用機関のネットワークであるN1ネットワークに9600bpsで,UNIX間のネットワークであるインターネット(TCP/IP網)に64kbpsで,九大大型計算機センターと接続していた。■その後のシステム更新では,安定運用を目指して,冗長DISK構成(RAID)によるファイルサーバの導入を行い,演算サーバとしてミニスーパコンピュータの導入等も行った[3]。学内基幹LANは,FDDI,ATM,Gigabit Ethernetと順次,高速化されていった。■21世紀になり,インターネットが普及してくると,インターネットを使った不正行為がみられるようになり,安全に安心してインターネットが利用できるようファイアウォールの導入,電子メールのspam対策システムの開発[4,5]を行った。教教育育用用情情報報シシスステテムムのの変変遷遷ににつついいてて借り上げ予算が認められ,定期的に最新の計算機システムを導入,運用できるようになった。ここでは,これまでセンターで導入・運用してきたシステムを当時の技術を表すキーワードとともにたどる。学術情報拠点副拠点長(情報基盤センター担当)■吉田■和幸-2-▎巻 頭 言

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